今クールのドラマがぽちぽち
始まってきてしまったのですが、
前クールのドラマで
どうしても書き留めておきたかった
ものがあります。
それは、「Nのために」(TBS系列)です。
湊かなえ先生原作の「夜行観覧車」に
続くドラマ化です。
スタッフも夜行観覧車と同じだそうです。
主要登場人物全員のイニシャルに
Nがつきます。
杉下希美(榮倉奈々さん)
成瀬慎司(窪田正孝君)
安藤望(賀来賢人君)
西崎真人(小出恵介さん)
野口貴弘(徳井義実さん)
野口奈央子(小西真奈美さん)
で、「Nのために」の「N」とは、
一体誰なのでしょうか・・・?
ドラマの内容が全くわからないまま
見始めましたが、第1話から、
ぐいぐい引き込まれました。
主人公、高校生希美は、
実の父親から裏切られ見捨てられ、
実の母親に翻弄され、
恨み、疎ましく思います。
本当なら現実味のない話で
「こんなこと、あるわけない」
と、しらけそうな所ですが、
リアルに感じるのは、
実力派俳優陣の演技が
あまりにも上手かったからです。
でも、現実社会でも
実の親子でもうまくいかない
ケースは、意外とあるようですね。
食べていくのもやっとのギリギリの
生活の中で、
お嬢様育ちの母杉早苗(山本未來さん)は
高額な化粧品などを大量に買ってしまいます。
(バブルの時代を知っている人は、
今、お金がなくてもついつい
いい物、高いものを買ってしまいます。
耳が痛い話です。)
まだ高校生の希美は、
母と弟と自分が生きていくために、
土下座をして、父の愛人に
食べ物を恵んでもらいます・・・。
なんて切なくて、悲しい物語。
重すぎて観られなかった方も
多かったようですね。
ちょっと話はそれますが、
今、日本では
子供の貧困が問題になっています。
6人に1人の子供が
貧困で苦しんでいるそうです。
なんだか、たかがドラマと
見過ごすわけにはいかないのです。
お互いの家庭の事情を共有し、
折れそうな心を支えあうクラスメートの
成瀬君(窪田正孝君)。
第一の感動シーン。
島から東京の大学に行くための奨学金制度を
成瀬君に譲ってしまう希美。
そして、島を離れる成瀬君を
希美が防波堤の端まで見送るシーンです。
なんて美しく悲しい風景だったことでしょう

そして不思議なのは、
榮倉奈々ちゃんも窪田君も
高校生役にまったく違和感がなかったこと。
爽やかでした。
大泣きしたのは、第6話。
東京で同じ安下宿の安藤君(賀来賢人君)が
一流商社に就職が決まり、
ずっと希美が乗りたがっていた、
ビルの窓拭き用のゴンドラに
乗せてあげます。
東京の高い所から、
夕焼けを見下ろしながら、
希美「ちゃんとあたしの足元は
世界の果てまでつながってる。
何もない狭い世界で人生を終えなくて済む。
そう思うのって、生きていくエネルギー
だよね?」
これに答えて安藤君
「今見えているのはさ、世界のほんの
一部なんだよな。」
「もっと広い世界に出て行くんだもんね。
怖くない?」
「全然。
どれだけ広いか楽しみだ。」
そして、風でゴンドラが揺れる。
「つかまっていい?」
と、希美が安藤の腕につかまる。
なんと切ない純愛であろうか

このシーンもとってもキレイです。
そして、
下宿の大家さんのおじいさん(織本順吉さん)
と希美の食事シーン。
高校時代のトラウマで、いつも
食べ物で冷蔵庫をいっぱいに
しておかないと不安でしょうがなかった
希美でしたが、
「これからは食べたいものを食べたい分だけ
作ることにした。」
と言うと、おじいさんがハッとして
「何かあった?」
と問う。希美
「世界は広いんだなって思ったの。
冷蔵庫の隙間くらい、どーってこと
ないなって。」
すると、おじいさんすべてを察して
「苦労は、忘れるのが一番。
よかった、よかった。」
と言って、希美の頭をなでます。
笑顔で泣きながら食事をする榮倉奈々ちゃん。
もう演技が上手すぎて号泣です

今の私達はなんと恵まれているのでしょうか。
いつもおなかいっぱい
ご飯を食べることができます。
あったかい寝場所があり、
勉強することができます。
幸せなことです。
でも実社会では、
就職難の時代に卒業した
若者達がブラック企業に
こきつかわれ、
使い古され、
住む所も明日食べる物も
ギリギリな生活を送っています。
おい、こんな世の中に誰がした

ミステリーの結末は、ちょっと
意外などんでん返しっぽかったのですが、
みんなが各々のNのために、
人生をかける。
罪とわかっていても、守らなくては
いけない時がある。
理想と現実のギャップ。
しかし、後々考えると
この話には、お互いを思いやる
あまり、問いただすことせず、
誤解が、罪の意識や事件を
生み出しています。
本当に相手を思うなら、
真実を問うことも
時には必要ということでしょうか。
でも、あの殺人事件が
このドラマに本当に必要だったのでしょうか?
希美の生い立ちだけでも
十分ドラマになった感もあります。
まあミステリーですから、
それでは本末転倒ですねwww
カメラワークもよかったですよね。
美しいシーンもたくさんありました。
それから、忘れてならないのが、
これまた涙をさそう
家入レオさんの主題歌
「Silly」
直訳すれば、お馬鹿さんってとこですか。
と、挿入歌
五阿弥瑠奈さん(Ajysytz)の
「for.N」。
どちらもドラマの雰囲気に
ぴったりでした・・・。
成瀬君役の窪田正孝くんは、
おでこを出していないので、
まったく気がつきませんでしたが、
「花子とアン」(NHK)のドラマ版の
架空の人物、アンに想いをよせる幼馴染
朝市君でした。
そして、もっと驚いたのが、
「SUMMER NUDE」(フジテレビ系列)で
波奈江(戸田恵梨香さん)に想いを寄せる
レンタルビデオ店アルバイトの冴えない
眼鏡の男の子、光役でもあったのですね。
全然印象が違います。
窪田君は、捨てられた子犬みたいな
うるうるおめめがいいですね

見事に好青年を演じきった
安藤望役の賀来賢人君。
希美に想いを寄せながら
伝えることができない
難しい役どころでした。
賢人君は、女優賀来千香子さんの
甥っ子さんだそうです。
それから、すくいようのないほど
おばかな希美の母早苗役の
山本未來さんは、デザイナー
山本寛齋藤さんの娘で
椎名桔平さんの奥様です。
あのなまりのあるゆったりした
「のぞみちゃん。」
が、忘れられませんwww
チュートリアル徳井さんは、
若干セリフ棒読みな
部分はありましたがwww、
イケメンですし、
いい味を出していたので、
今後またドラマでも
オファーがありそうですね

日々忙しくしていると忘れがちな
大切なことを思い出させてくれた、
後味のとてもいいドラマでした。
娘(16歳)にも観せたいです。
ぜひ、原作も読んでみたいと
思います。
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